実際にあった相談事例⑥「会社を退職した後に保険証を使ってしまった」
こんにちは、さいたま市にある田中社会保険労務士・行政書士事務所の田中です。
本日は、実際にあった事例として「退職後の健康保険証の利用の注意点」についてご紹介させて頂きます。※ご依頼様のプライバシー保護のため一部フィクションを含んでいます。
【ご相談者】個人
【雇用形態】正社員
【業 種】サービス業
【ご相談内容】会社を退職後、国民健康保険に切り替える必要があることを知らず、
以前の勤め先で発行された健康保険証を使ってしまったところ協会けんぽから
「保険給付の不支給決定について(通知)・療養の給付費返納決定について
(通知)」 と言うお知らせが届いた。どうしたらよいのか。
結論からお伝えすると原則、会社を退職した後に入社した時に発行された健康保険証を使うことは出来ません。もし、ご家族にも健康保険証を作っていた場合は、そのご家族も使うことは出来ません。
今回の事例のように誤って使ってしまった場合は、「保険給付の不支給決定について(通知)・療養の給付費返納決定について(通知)」(※協会けんぽの場合)が後日届いてしまうので以下の手順に沿って対処する必要があります。
①以前にお勤め先で加入していた保険者(協会けんぽor健康保険組合)へ退職後に健康保険証を医療機関で使用したことによって負担を免れた7割分を返金します。
※返金の方法としては、保険者(協会けんぽor健康保険組合)から届いた通知書に同封されている「納付書」を使用して、コンビニや郵便局などで返金が可能です。この時に必ず納付書の片割れ(領収書)を必ず貰ってください。
②以前にお勤め先で加入していた保険者(協会けんぽor健康保険組合)に電話をして返金をした旨、お伝えします。
③後日、ご自宅へ「診療報酬明細書の写しが入った封筒」が郵送されます。
※この時に封筒を開封をしてはいけません。
④現在、勤めている会社が加入している保険者(協会けんぽor健康保険組合)が提供する「療養費の支給申請書」1を作成します。
現在、無職or自営業の場合は、国民健康保険に加入しているためお住まいの市区町村が保険者になります。
※インターネットが使える環境であれば、概ね保険者のHPにひな型がアップロードされています。
※インターネットが使えない環境であれば、保険者に電話をして郵送でひな型を自宅に送付してもらえるか相談しましょう。
⑤以下のものを一式揃えて保険者(協会けんぽor健康保険組合)に郵送します。
・①で貰った「領収書」
・③で届いた「診療報酬明細書の写しが入った封筒」
・④「療養費の支給申請書」
⑥後日、「療養費の支給申請書」に記載された振込先の銀行口座に送金されます。
図1:療養費の給付が支給されるまでの流れ
- 教会けんぽHP:療養費(立替払い)の申請書ひな型 ↩︎
今回の事例は、中小企業の社長や人事総務ご担当者様におさえて頂きたい事例となっています。従業員がご退職される際に、退職日以降は原則、健康保険証を使えないことを説明するだけで防ぐことができるものでした。
田中社会保険労務士・行政書士事務所事務所では社会保険手続きの代行をするだけでなく+αのアドバイスをすることを心がけております。社会保険手続きでお困りの際は、是非ご相談ください。
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