実際にあった相談事例⑤「病気で会社を休んだ場合に行政からお金が貰える?」
こんにちは、さいたま市にある田中社会保険労務士・行政書士事務所の田中です。
本日は、実際にあった事例として「賞与を支払う際の注意点」についてご紹介させて頂きます。※ご依頼様のプライバシー保護のため一部フィクションを含んでいます。
【ご相談者】個人
【雇用形態】正社員
【業 種】サービス業
【ご相談内容】病気で会社を2週間休んで給料が半分くらいしか貰えなかった。
生活に苦しいので何か行政からの助成はでないのか?
長い会社生活の中で病気やケガになってしまうこともあるかと思います。そんなときに有給休暇を使えればいいのですが、何かしらの事情で使えないと言う事もあるかもしれません。また、入社間もない時期においては有給休暇がないので、お休みをした期間の給与は低くなってしまいます。
結論からお伝えすると「社会保険※に加入している従業員(健康保険証を持っている従業員)は傷病手当金」を申請することで「1日あたりの給与の約2/3」1を教会けんぽや健康保険組合から貰うことが可能です。ただし、貰うためには以下の要件があります。
★業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
健康保険証が使える保険診療として受ける療養に限らず、「自費で診療」を受けた場合でも、仕事をすることができないことについての「医師の証明」があるときは支給対象となります。また、「自宅療養の期間」についても支給対象となります。
ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外となりますのでご注意ください。
★仕事に就くことができないこと
仕事に就くことができない状態の判定は、教会けんぽや健康保険組合が「医師の意見等」をもとに、「従業員の仕事の内容」を考慮して判断します。
★連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
業務『外』の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
また、就労時間『中』に業務外の事由で発生した病気やケガについて仕事に就くことができない状態となった場合には、その日を待期の初日として考えます。
図1:待機3日間の考え方
★休業した期間について給与の支払いがないこと
休業している期間について給与の支給がある場合は、給与の支給があった日については原則支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。なお、会社を退職後に国民健康保険に加入せずに「任意継続被保険者」である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されないのでご注意ください。
この傷病手当金は、コロナウィルスが流行ったときに大活躍しました。また、メンタルヘルスを抱えてしまった従業員が休職をする期間の収入源として非常に有効な制度です。傷病手当金が申請できるか迷った方は田中社会保険労務士・行政書士事務所に是非、ご相談下さい。
- 支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30×2/3
なお、支給開始日以前の加入期間が12ヵ月に満たない場合は、以下①~②のうちいずれか低い方が適用されます。
①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均
②標準報酬月額の平均値
30万円(※):支給開始日が平成31年4月1日以降の方
※当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額 ↩︎
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